「まち焼肉文化、終わりをはじまりへ。」
まち焼肉の思い出。
家族で囲んだ沢山のお皿、友達と取り合った生焼けのお肉、
ちょっと焦げた肉、ちょっと冷めたご飯、ちょっとだけ深い話。
どこの町にも、そんな「まち焼肉」がありました。
けれどいま、まちの焼肉屋は静かに姿を消しています。
食材費の高騰、人手不足、後継者不足、大手チェーンの台頭。
気づけば、2024年には焼肉店の倒産数が過去最多を記録し、
人間味あふれるまち焼肉が消えていく。
新橋も例外ではありません。
不動産価格の高騰で家業としてのまち焼肉は絶滅寸前。
山手線で最も再開発が遅れていると言われる新橋に必要なのは、
ピカピカの最新スポットじゃない。
昭和の空気を大切に抱えた旧市街の新橋だからこそ、
「まち焼肉」の文化が似合うし、必要だと僕たちは信じています。
新橋にはまだ残っている。
何でもありで、誰でも受け入れる、街の懐の深さが。
だから新橋という市場で、”まち焼肉”文化に火をつけたい!
・・・
そんなことを考えている最中、
神奈川県寒川で愛された焼肉店「明洞(みょんどん)」が、
2025年1月、40年間の歴史に幕を下ろしました。
明洞の店主・広瀬さんは、
脱サラからわずかひと月で焼肉店を立ち上げ、
サラリーマンから、知識ゼロで焼肉業界に飛び込み、
「体力は人の3倍あるから、営業も3倍やる」と豪語して本当にやりきった。
お客さん一人ひとりの声に応えながら、店を育て続けました。
季節ごとにタレを変え、ハラミひとつにも徹底的にこだわり、
寝る時間は3時間、学ぶ時間は無限。
そんな誇りと情熱を、40年守り続けた店でした。
このまま終わらせるなんて、もったいない。
だから2025年5月、「ニューみょんどん」として、新橋で再出発します。
ただ、「アイス以外全部手作り」という明洞のこだわりは、
いきなり完全再現はできません。
目指すのは、40年前、明洞が生まれたときの「あのスタート地点」。
“再現”ではなく、”再出発”です。
お客さんと共に、明洞を育て直します。
・・・
「焼肉に、マニュアルはない」
火加減、焼き加減、肉の厚みも、タレの甘さも、
結局は「目の前のお客さんの顔色」で決まるのだと、
明洞は教えてくれました。
ニューみょんどんは、
そんな人間くさい“まち焼肉文化”を、
もう一度、都会のど真ん中に復活させるプロジェクトです。
そして、これを第一章に、
全国で惜しまれながら消えていったまち焼肉の名店たちを、
この新橋から、少しずつ復活させていきたいと考えています。
ニューみょんどんは、単なる焼肉店ではありません。
“まち焼肉文化”を未来へつなぐ、再生プロジェクトの旗艦店です!
『未来へつなぐ、味と思い出。』
ー 2025年6月3日